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コンポストとは? 生ゴミを堆肥として再利用するメリットやおすすめ容器を紹介

自宅で出来る環境活動のひとつとして、昨今「コンポスト」が注目を集めています。しかし多くの人が、まだどのようなものか知らないのではないでしょうか。コンポスト作りは、廃棄になるはずだった生ごみを再利用する取り組みです。今回はコンポストについてなじみのない人や、すぐに出来る環境活動について知りたい人に向けて詳しく解説します。

コンポストとは

コンポストとは、英語で「堆肥」の意味であり、日本では毎日の生活で出る生ごみを再利用して作る堆肥の意味で使われることが多いことばです。これまで廃棄していた野菜くずや卵の殻などを、コンポスターと呼ばれる容器に入れて作ります。作ったコンポストは、家庭菜園やガーデニングで使うことが出来ます。

再注目のきっかけは、バーモント州でのコンポスト法施行

コンポストの存在は以前からありましたが、近年あらためて注目を集めるきっかけとなったのは、2020年7月1日のアメリカ合衆国バーモント州でのコンポスト法施行です。

このコンポスト法施行により、州内で出る全ての生ごみの廃棄が禁止されました。家庭で出る生ごみや、スーパーマーケットでの売れ残り商品の廃棄、レストランでの食べ残しなど、あらゆる生ごみの廃棄が禁じられ、コンポスト化させることが義務付けられたのです。

こうした動きに加えて世界でのSDGsに対する理解や必要性が高まり、コンポストが注目されるようになりました。

コンポストを作るメリット

コンポストを作ることは環境にとって、そして家庭にとってもメリットがあります。どんなメリットがあるのかみていきましょう。

環境にとってのメリット:環境負荷の低減

本来は廃棄され、焼却されていた生ごみの量が減るため、環境負荷の低減に繋がります。ごみの量の減少によって、これまでごみを運ぶための輸送で発生していた排気ガスの抑制も期待出来るでしょう。

また、地球温暖化の原因である温室効果ガスのもととなる二酸化炭素は、石炭などの化石燃料を燃焼させることで発生します。

つまり、企業や家庭で出る生ごみの量を減らすことで化石燃料の使用機会を減らし、温室効果ガスの排出量を抑えることに繋がります。

家庭にとってのメリット:節約に繋がる

家庭菜園やガーデニングを行っている場合は、コンポストを作ることで経費が節約出来ます。植物の肥料としてこれまで購入していた堆肥を自宅で作れるため、購入費用を抑えられるのです。

家庭菜園を行うと、野菜を購入する必要がなくなり、食費も節約出来ます。また新鮮で美味しい野菜を自分で作って食べられるので、生活の質も高まるでしょう。まだ家庭菜園を行っていない場合は、これから始めるのもおすすめです。

コンポストを作るデメリット

コンポストを作ることで生まれるデメリットもあります。これからコンポストを作りたいと考えている場合は、デメリットとなる点をあらかじめ知り、対策を立てましょう。

悪臭が出ることがある

コンポスターには、設置型、回転式、密閉型、段ボールなど複数の種類や形状があります。種類によっては悪臭が出ることがあり、その点は、コンポストを作るデメリットとなります。

悪臭の解決法としては、密閉型の場合、容器内の下の方から混ぜることで改善出来ます。また、数日間生ごみの投入をやめることで生ごみの分解を促進し、臭いをなくす方法もあります。

虫が出ることがある

コンポスターの外から虫が侵入したり、中から湧いてしまったりすることがあります。外から侵入する場合は、コンポスターにカバーをかけることで虫の侵入を防ぐことが出来ます。

一方、コンポストの中で虫が湧いてしまう場合は、コンポストに米ぬかやてんぷら油、糖分を入れるとごみの分解が促進されて土の温度が上昇し、虫の卵を死滅させられます。
この他、コンポストを天日干しすることで虫を駆除する方法もあります。

コンポストを自作するためのおすすめ容器

自宅でコンポスト作りを行う場合、麻袋を使ってコンポスターを作ることも出来ます。ただし、臭いが発生しやすいため、市販のコンポスターを使うのがおすすめです。ここでは、コンポストを自作するためのおすすめの容器を紹介します。

電動生ごみ処理機

電動生ごみ処理機は、各家電メーカーで販売されています。乾燥によってごみをコンポスト化するため、臭いの発生を抑えられます。従来のコンポスト作りで欠かせなかった土をかき混ぜる工程も電動で行うため、ごみを入れた後は面倒な作業がありません。

ただし、処理機を購入する際の初期費用、使用する際の電気代がかかるため、コストを抑えてコンポスト作りをしたい人は注意が必要です。

段ボール型コンポスター

段ボール型のコンポスターは、土やコンポスト作りに必要となる資材を入れた後、生ごみを入れてかき混ぜるだけでコンポストを作れます。

通気性や保温性に優れた段ボールの特性を活かしています。低コストで始められ、玄関先やベランダなどでも手軽に始めることが出来ます。ただし、密閉しづらいため、臭いや虫の侵入などに注意が必要です。

バッグ型コンポスター「LFC」

「都会でもできる簡単、便利でシンプルなコンポスト」をコンセプトに開発された、ファスナーバッグ型のコンポスターです。

見た目がおしゃれなだけでなく、ファスナーによって虫の侵入を防ぎます。大きな容器が不要で、マンションのベランダでも気軽にコンポスト作りが出来ます。定期便の購入も出来て継続しやすく、初めてのコンポスト作りにもおすすめです。

コンポストを作る際の注意点

コンポストを作る際、コンポスターに入れてはいけないものがあります。割りばしや楊枝、貝殻、ビニールなどは分解が出来ず堆肥にならないため、入れないようにしましょう。また、腐った生ごみは菌が発生して衛生上の問題があるため、廃棄するようにしましょう。

この他、魚や肉の骨、果物の種など硬いものは分解されにくく、完全に分解されるまで時間がかかるので注意が必要です。卵の殻は分解されやすいため、野菜くずなどと一緒にコンポスターに入れて問題ありません。

コンポストを作って環境活動に参加しよう

コンポスト作りは、誰でも手軽に、今日からすぐに参加出来る環境活動のひとつと言えます。

さらに、コンポストは家庭菜園やガーデニングに堆肥として使えるので、新たに家庭菜園、ガーデニングという趣味が出来るかもしれません。自分で作った野菜を食べたり、育てた花を飾ったりすることは、より豊かな暮らしに繋がるでしょう。

環境に良いことをしたいと考えている人はぜひ、コンポスト作りにチャレンジしてみてください。

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Aya

Aya

フリーライター

会社員とのパラレルキャリアを経て、独立。旅行やファッションに関する記事を執筆。独立後にメンタルヘルス、キャリアに関する記事へと幅を広げる。2018年1月よりハワイに留学。ハワイでの生活を通して、日本のSDGsに関する取り組みの遅れを感じ関心を持つ。2021年3月より「circu.」にてSDGsに関する記事を執筆開始。

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