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食と暮らし

もっと知りたくなるヴィーガン。自分にも地球にも優しい生き方

ここ数年で、よく耳にするようになったヴィーガンというワード。しかし、ダイエットの一種だと思われていたり、自分とは関係のない遠い世界の話だと思われていたりと本質的な魅力はあまり知られていません。ヴィーガンとは何か、どんな魅力があるのかを知り、自分にも地球にも優しい生き方を始めてみませんか。

ヴィーガンとは

昨年、突如現れた未曾有のウイルスによって、私たちはこれまで経験したことのない日々を過ごしています。そのような生活の中で、健康や食、環境について考える時間が増えたという方も多いのではないでしょうか。気になるけどどういうものなのかよくわからないという声をよく聞くもののの一つに「ヴィーガン」があります。

ヴィーガンとは、肉、魚介類、卵、乳製品、蜂蜜などの動物性食品やレザーなどの動物由来の製品を可能な限り避け、動物の命を尊重する生き方を実践する人たちのことです。

このような生き方、哲学をヴィーガニズムと表現します。本来はダイエットや健康法といった自分磨きという目的ではなく、命や動物の権利を尊重するという考えのもと、実践されているというところはご理解いただきたいポイントです。

自分のための行動は個人の自由選択や一過性の流行として短期間で終わってしまうことが多くあります。しかし、自分のためだけでなく、生き者や地球のためにもなる選択だとしたら継続したいと思う方も少なくないのではないでしょうか。

ヴィーガンの種類

ヴィーガンには食事の面において動物性を避けるダイエタリー・ビーガン (Dietary Vegan)や食事以外にも、身につける製品等すべて動物由来のものを避けるエシカル・ヴィーガン(Ethical Vegan)などいくつかの種類に分けられます。

しかし、この分類はあくまでも一般的なものであり、個々人で異なる部分もありますので、ご自身をこの分類に当てはめる必要はないと思います。また、ヴィーガンの友人との食事やプレゼント選びに迷った際はその友人に直接尋ねてみるのが一番です。

ヴィーガンの歴史

宗教的、精神的理由によって動物性食品を使わずに生きることを選んだ人々は遙か昔から存在していたと言われています。ヴィーガンという言葉自体は1944年にイギリスでドナルド・ワトソン(Donald Watson)らによってヴィーガン協会が設立された際にできました。

また、ヴィーガンという言葉は造語で、ワトソンと彼の妻ドロシーが思いつき「Vegetarian」の頭3文字と尻2文字をとって「Veg+an=Vegan(ヴィーガン)」と名付けられたそうです。

ヴィーガンはベジタリアンの一種で1847年にベジタリアン協会が設立された際に、ベジタリアンの定義には、卵と乳製品が含まれていました。ベジタリアンは卵や乳製品を食べるべきかどうかについて議論されていく中で、理想的な姿は動物性食品を避けるというヴィーガンの考えがベジタリン協会とは一致せず、新たな協会を設立するに至りました。

ヴィーガンの魅力

ヴィーガンの魅力について、次の項目で具体例を挙げさせていただきますが、一文で表現するならば、「心身を豊かにし、地球を守ることができる」ことではないでしょうか。

ヴィーガンとは今ある問題を改善していき、生き者すべてが共存し、幸せに生きるために必要なものだと思います。自分のことも地球のことも思いやることができるライフスタイルこそがヴィーガンの魅力であると私は思います。

ヴィーガンになると起こる良い変化

多くの動物の命を助けられる

日本を含め世界の畜産業は、生産性や効率性ばかりを追求し、動物たちを狭い畜舎に入れ、密集した状態で飼う工場型畜産システムが主流です。広々とした牧草地で太陽の光を浴びることなく殺される多くの動物たちがいるのです。

動物由来の製品を選ばない選択をみんながしていくことで食用やファッション、娯楽等の犠牲になる動物たちの命を救うことができます。

地球温暖化防止に繋がる

地球温暖化への影響が大きいとされる温室効果ガスですが、日本では畜産由来の排出量は、農業由来の温室効果ガス排出量の41%を占めると推定されています。ヴィーガンの食生活はこうした環境問題解決にも繋がります。

自分を思いやるようになる

どんな食材が入っているのか自分の身体に入るものを少しずつ気にするようになり、自然と身体に優しい成分、食材を選び、健康的な食事を心がけるようになります。私自身、カロリーしか気にしていなかった頃より今の方がずっと健康的です。

新しいものに出会える

肉や卵、乳製品を使わないヴィーガン料理は野菜や豆類を使った新たな魅力に気づかされます。まずは、一度ヴィーガンレストランやカフェに行ってみることをおすすめします。

尚、動物性食品を一切口にしない完全なヴィーガンは、栄養面の問題についてはまだ解明されていない部分があり、健康への影響は個人差もあります。始める際は専門家の意見を参考に自分に合った方法で始めていただくことをおすすめします。

ヴィーガンへの第一歩

ヴィーガンになることは何かを諦めたり、失ったりという苦しいものではありません。新しい味、新しいレシピ、新たな発見を楽しむという気持ちを持ち、これまで食べていた動物性食品を少しずつ植物性のものに切り替えていくことで無理なく実践できます。

カフェラテのミルクを豆乳に代えてみるのもおすすめです。ヴィーガンメニューは味気ないものだと思われがちですが、お肉のような食感の大豆ミートや砂糖不使用なのに甘いスイーツなど美味しいものがたくさんあります。最初からすべてを変えようとせず、できることから始めることが第一歩です。

週1ヴィーガン始めてみませんか?

生き者や環境のためにもヴィーガンは一過性の流行ではなく、継続が必要です。しかし、あまりにも制限が多く、自分を縛り付けてしまうと継続するのはなかなか難しいものです。そこでまずは週に1回のヴィーガン生活を始めてみてはいかがでしょうか。

ポール・マッカートニーが地球環境保護などを目的として提唱している「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」によって学校給食や学食、職員食堂を始め、レストランやカフェなどでも週に1回菜食の日を取り入れるキャンペーンが世界45カ国で行われています。日本でも2017年4月、内閣府が職員食堂にベジメニューを日本政府として初めて導入しました。

最近では日本のスーパーやコンビニでもヴィーガン対応食品を見かけることが増えてきました。また、Vegewel(https://vegewel.com/ja/restaurant/)のようなベジタリアン・ヴィーガンのレストラン検索やオンラインでヴィーガン商品を購入できるポータルサイトも増えています。このようなWEBサイトも上手く活用していけば、無理なく実践できるのではないでしょうか。

ヴィーガンは自分と地球を思いやることに繋がる

ヴィーガニズムはヴィーガンでない人を受け入れない他を全否定する生き方でも、今持っているお気に入りのレザー製品を捨てなければいけないような極端なものでもありません。今持っているものを大切に長く使い続けることも地球への思いやりです。

この記事でヴィーガンの魅力を少しでも知っていただき、ヴィーガンのことをもっと知りたいと思っていただけたのなら幸いです。一人ひとりがほんの少し自分や地球に優しい選択をすることで、地球規模では大きな変化をもたらします。あなたもヴィーガンという新しい出会いを楽しみながら自分と地球を思いやった生き方を始めてみませんか。

  • この記事を書いたライター
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小林 真琴

大学院でスポーツマネジメントを専攻し、女性スポーツの研究に勤しむ。卒業後、パラスポーツ競技団体で日本代表担当、国際大会運営、サポーター会員制度構築等スポーツの発展、普及、共生社会の実現に向けて奮闘。その後組織を移り、現在もスポーツ界に身をおきながら、様々な視点からより良い社会の実現に向けて執筆活動など精力的に活動中。趣味はウォーキングサッカー、一人旅、ヴィーガンコスメ探し。

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